生活困窮者の自立を目指す

　NPO 法人ニューライフは地域社会における社会福祉の増進に寄与することを目的に2003 年1 月に設立されました。
　以降さまざまな問題を抱えて住居を失った方々、生活に困った方々に向けて社会福祉法第２条第２種社会福祉事業である無料低額宿泊所等の開設・運営を通じて衣食住を提供し、一日も早い社会復帰、自立に向けてのサポートをさせていただくことを主として活動してまいりました。
　この約20 年間で宿泊所の利用者は約6,600 名に上り、就職による自立、帰郷、アパートへの転居、また高齢者施設や障害者施設への転居等で入居時の目標である安定して暮らせる居所へと巣立って行きました。
　失業や病気等、何らかの原因で生活に困窮したときに健康で文化的な最低限の生活を保証するとともに自立を助長することを目的とした憲法25 条に基づく国の保証制度であり最後のセーフティネットといわれる生活保護ですが、厚生労働省の調査によると2022 年3月に生活保護を利用した世帯は約164 万2 千世帯で、その内の半数を超える約91 万9 千世帯が高齢者世帯でした。そして、その92％が一人暮らしの方々です。
　この10 年ほどの動向をみますと生活保護世帯は減少していますが、高齢者世帯は増え続けています。
　世界のどの国も経験したことのない速度で進行している少子高齢化に伴う困窮した高齢者の急増は深刻です。
　設立当初は、殆どの利用者は住宅に困窮している単身の男性でしたが、現在は高齢者、障碍者、出所者、ひきこもり、DV 被害者の女性等、社会的孤立に陥りやすく、また複数の要素が複雑に絡み合った方々が増加しています。
　それ故に紹介者も福祉事務所等の行政機関からだけでなく医療機関、警察、ボランティア等の他団体からと多岐に渡り、私たち職員も衣食住のお世話や自立に向けた就職支援だけでなく、介護を始めとするより身体的・精神的なサポートを必要とされております。
　頼れる家族もなく体が不自由になれば、いずれは社会保障に頼らなくてはならない時がやってきますが、安心した生活を送ることは国民誰もが持っている権利です。
　私たちは地域に根ざした支援機関として、何よりも困っている方々に寄り添い、共に再出発に向け解決を目指し、誰もがが安心して暮らせる社会の一助となることを使命として活動しております。